HACCPで求めている衛生管理計画の策定は、今まで実施していた衛生管理の再確認のような作業になります。扱っている食品ごとに、食材の受け入れから保管、調理方法と提供方法までを書き出します。それぞれの工程で何を注意しなければならないかを明確にすることが必要です。その注意点には、温度に関する基準や調理時間なども数値化しておかなければいけません。
HACCPでは不適合が発生したときの対応方法も決めておくことが重要です。何か発生してから対応方法を考えていては、時間がかかり、中途半端な対応で被害が拡大する恐れがあります。迅速な対応が被害を最小限に食い止めるためには必要です。再調理や廃棄など条件を決めておけば、現場で混乱することが少なくなります。
HACCPで策定した衛生管理計画は実際の工程と照らして、確認しましょう。現場では別のやり方をしていて、ルールが守られていなかったなんてことがあったり、実際の作業の方が適した方法であることも考えられます。その結果で計画を見直して、現実に使いやすい物にしなければ使われなくなってしまいます。基準を設定することが目的なのではなく、その基準による監視が適切に実施されることで、安全性が担保されます。
実現可能な計画にすることは最低限必要で、そこからどれだけ効率化が図れるかが、現場とのすり合わせにかかっています。そこで現場と計画のギャップが小さければ小さいほど、優れた工程となります。