温度履歴とは、ある一定の期間の温度を計測しそれを記録することです。温度履歴は様々な分野で必要とされている技術で、特に医薬品や食料品、化学工場、食品工場、病院、運送業等といった分野では欠かせないものだと言っていいでしょう。化学工場では溶剤を使用しますが、ある一定の温度を超えると化学反応を起こしてしまうものもあります。食品工場では製造する製品の鮮度を保つために食材の温度管理は欠かせません。
また、適切に調理するには機械類の温度管理も必要です。病院でも医薬品、抗体や血清、血液に対して適切な温度管理をしておかないと、変質を起こし患者さんに使用できなくなります。運送業は上述の化学溶剤、食品工場で使われる食材や原料、病院で使用される医薬品等を輸送する業務なので、これらの温度管理には気を配らなくてはいけません。この温度履歴を人が逐一チェックしていては時間も労力も要ります。
また、管理する設備や商品の数が多いと記録、確認する作業も増えるため、人の目で直接行うことは非常に困難になります。この温度管理に活躍しているのが温度履歴ロガーやセンサーです。温度履歴ロガーやセンサーは、温度が適温に保たれているかを常にチェックし記録をする製品です。計測された温度は自動的に保存され、適温を超えた場合はすぐに対処できるようにアラートで知らせる機能がついているものもあります。
現在ハンディタイプから、パソコンを利用して各センサーから得た情報を一元管理できる温度管理システムまで様々な種類が発売され利便性が向上しています。